「365日。小さなレシピと、日々のこと」を読んで。

365日。小さなレシピと、日々のこと  渡辺有子著

 

わたしが渡辺有子さんを知ったのは、この本がきっかけだった。2014年に初版が発売された当時、わたしのインスタグラムのウォールには、何度かこの本が登場することがあって、そのたびに興味をそそられていたのだ。

でも当時はまだ第一子が1歳という、慣れない育児に翻弄されている時期だったから、なかなか自分の趣味にまで手が回らずにそのままになり、気付けばこの本のことは遠い記憶の彼方に追いやってしまっていた。

 

それからしばらく経った、2017年の春。当時は1歳だった息子も3歳になり、少しずつ読書のペースもつかめてきたわたしは、新たな命を産み落とすためにしばらく里帰りをすることになった。

 

そしてしばらくして第二子を出産したのだが、この時無性に渡辺有子さんのこの本が読みたくなったのだ。しかしながら、初版が発売されてから約2年半が経過している上、著者名も本のタイトルもメモしていなかったから、うろ覚えの記憶を頼りに検索して探すしかなかった。20年前だったら、見つけるのは不可能だったかもしれない。

 

でも今は2017年。いくつかのワードで検索をかけると、何度目かの検索でヒットさせることが出来た。

 

これだ!この本だ!今わたしが読みたいのはこれだ!

見つけられたことにテンションも上がり、何だか無性に嬉しくなって、すぐさま注文をした。

 

そして、それから数日して手元に届いた本は、まさに理想を閉じ込めたような本で、デザインもサイズも内容も全てが好みで、持っているだけでワクワクさせてくれるわたしにとっての特別な一冊になった。

 

1月1日から始まり、12月31日で終わるこの本は、365日、1日1ページを割いて写真と短いエッセイが添えられている。1日1ページ、著者の丸々1年が詰まっているなんて、何だか秘密を覗き見しているようでドキドキしてしまう。ましてやその著者があまりにセンスに溢れていて、日々の素敵な料理や暮らし、出来事を綴っているのだから、つまらないわけがない。

 

授乳中の時間を利用しながら、あっという間に渡辺さんの365日間を読了した。でも、この本には、普通に1ページ目から読む以外の楽しみ方もある。例えば、今日は7月21日だけど、渡辺さんはどんなことを綴っていたっけと、その日のページを開いてみる。するとそこには美味しそうな桃の写真と短い文章が添えられていて、自分の暮らしの中に取り込めるヒントがあるのだ。料理のレシピも載っている日があるから、夕ご飯なんかに取り入れても良い。

 

また、こんな楽しみ方もある。家族の誕生日のページを開いてみて、そうか、この日はこんなものを食べたいなとか、こういう時間を過ごすのも素敵だなとか、想像してみるのだ。

 

そうして何度も読んでいると、素敵な暮らしが、自分の生活の中にすっと降りてきたようで、読んでいるだけで嬉しくて、何だか少し優しい気持ちになれるのだ。

 

こんな素敵な本に出会えたことに心から感謝し、いつまでも大切にしていきたいと思う。

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